キハ35系
キハ35形
キハ35形は、大都市近郊の非電化通勤路線向けとして開発され、1961年(昭和36年)から1966年(昭和41年)にかけてグループ総計で413両が製造された。関西本線を皮切りに北海道地区を除く各地の非電化路線に配属された。
乗降の効率化のため、両開きの幅広ドアを片側あたり3か所に設け、収容力を重視して車内の座席をすべてロングシートとしたことが特徴である。ラッシュ時の輸送に絶大な能力を発揮したが、高度成長期に大都市近郊の路線が軒並み電化されたことや、長距離運用に不向きな設備が災いし、1983年(昭和58年)から廃車も開始された。
後継車は開発されておらず、同様の設計思想で製造された車両についても1997年にJR北海道が札幌近郊線区向けに投入したキハ201系(ただし扉は片開き式)の登場まで、約35年間途絶えることとなった